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冬の車の立ち往生の備え~誰でもできる実践的な知識6選を紹介~

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冬の車の立ち往生の備えについて、誰でもできる実践的な知識について解説します。冬の雪などが原因の立ち往生はニュースで見たことはあるけれど、自分には関係ないと思っていませんか?でも、実際は誰にでも巻き込まれる可能性があります。今回は寒冷地にお住まいの「マラソンマン」さんに体験談を含めて聞いてみましたので、是非参考にしてみてくださいね。

#01冬の車の立ち往生の備えはどうしたらいい?

ハルちゃん

去年の冬、車で立ち往生して大変な目にあったので今年は対策しておきたいんですけど・・・

ゴリラ部長

それならワシの知り合いが詳しいから聞いてみよう!

[執筆者情報]

マラソンマンさんの自己紹介画像

マラソンマンさん
家族でアウトドアをいつも楽しんでいるマラソンマンです。
キャンプでは、昆虫採集や釣り、バーベキュー、ボートなど楽しいことばかり!
時間を忘れ、非日常を全力で楽しんでいます。
いつも大自然に癒されています!

私の実体験と専門家の話をもとにした冬の立ち往生で誰でもできる実践的な知識についてご紹介しますので、是非ご覧ください。知識を忘れないように「たちおうじょう」から始まるゴロにしてみました。ぜひ口ずさみながら読んでみてください!

#02「たちおうじょう」の順に見てみよう

①「た」だちに切ろうエンジン

車がまったく前に進めなくなり、停車を余儀なくされた場合についての話です。エンジンを切る理由は、二つあります。一番大切な理由は、アイドリング時の「一酸化炭素中毒の予防」です。アイドリングとはエンジンをかけたまま、パーキングギアにし続けることです。一酸化炭素中毒の症状は、初期には軽い頭痛です。症状が進むと、めまい、吐き気、けいれん、呼吸困難、失神などが生じます。最悪の場合、命を失う危険もあります。一酸化炭素は無色・無臭で気づきにくいため、このような初期症状を覚えておくことも自衛のために重要です。
ドカ雪ともなると、あっという間に雪が積もります。気づかぬ内に、車の排気口(マフラー)が雪で塞がってしまう事があります。その結果、一酸化炭素を含む排気ガスが車内に充満します。仮眠する場合にはエンジンを切ることをお勧めします。また、エンジンをかけておく場合でも、マフラーが塞がらないように定期的にチェックし、除雪することが重要です。
二つ目の理由は、車が動いていなくても、エンジンをかけたままでいるとガソリンが消費します。車種や暖房の使用によっても異なりますが、無駄にガソリンが消費され、バッテリーのエネルギーも多く消費します。
私はこれらの知識を知っていたので、長時間のアイドリングは避け、こまめにエンジンを切るようにしました。皆さんも十分に注意しましょう!

②「ち」ょっとでも脚の運動

同じ姿勢で動かず、長い間座っていると、「エコノミークラス症候群」(深部静脈血栓症)の危険が高まります。脚の血流が滞ると、静脈中に血栓という血の塊ができます。脚から心臓へと血液を戻す血管にできた血の塊が詰まってしまう病気です。
専門家が推奨する予防法は3つあります。1つ目は、両足の指を曲げ伸ばす運動つま先の上下運動、そしてふくらはぎを揉むことです。ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれ、心臓から全身に送り出した血液を戻す役割を担います。つま先の上下動によってふくらはぎの筋肉が収縮し、筋肉が血液を送り返すポンプの作用をします。水分が不足すると、血液がドロドロになるため、血栓ができる危険がより高まります。したがって、2つ目は、水分をこまめに摂取することです。そして、3つ目は、座席のリクライニングをできるだけ倒して横になることです。下肢の血流がよくなり、腰や脚の筋肉を休めることにもつながります。立ち往生の際だけでなく、飛行機での長時間の移動時など、座位での長時間の同一姿勢を余儀なくされる際にもおすすめです!

両足の指を曲げ伸ばす運動

つま先の上下運動

ふくらはぎを揉む

座席のリクライニングをできるだけ倒す

③「お」いておくと役に立つ便利グッズ

長時間の車内で困るのが、「トイレ」です。私の場合、外は天気も悪く、うかつに外に出られない状況でした。以前に家族で海外へ旅行した際、バスの中で子供がトイレに困った経験がありました。その経験以来、「携帯トイレ」を車に積むようにしています。男女兼用で使用でき、とても便利です。
ただ、天気が悪いとはいえ、周りの目が気になるものです。そんな時に簡単にできる工夫があります。子供の座席横にある窓の内側に「遮熱シート」を貼り、カーテン代わりにしました。人目を気にせず、落ち着いてトイレを済ませることができ、何とか事なきを得ました。遮熱シートは、夏は暑さ対策で使用しますが、冬には保温の効果も発揮します。さらに、遮蔽シートには別の使い方もあります。冬には車内が雪で濡れる可能性がある荷物をトランクに積む機会が多くあります。私は遮熱シートをトランク内に敷き、敷物代わりに使っています。
①で車の停車時の注意点でお伝えした通り、除雪の際に「スコップ」は必要です。小型のスコップを積んでおくと、とても役立ちます!
最後のおすすめは、「モバイルバッテリー」「携帯用ライト」です。スマートホンの電源が切れてしまうと、連絡やニュースの確認などができなくなり、とても困ります。また、車内のライトを長時間つけたままにすると、バッテリーが上がってしまうことがあるので、注意が必要です。私の車には折り畳みができ、電池式の携帯用ライトを積んでいたので、暗くなった際にとても役立ちました。以上の便利グッズは場所もとらないので、常に車内に置いておくことをおすすめします!

④「う」す味の飲料水

うす味で一番おすすめの飲料は、「水」です。ジュースなどの濃い味の飲料水を摂取すると、飲んだ瞬間は喉が潤った気がします。しかし、ここに落とし穴があります。ジュースなどには糖分がとても多く含まれており、自身の体液よりも浸透圧が高いため、過剰な摂取は脱水症状を引き起こす場合があります。浸透圧とは水を移動させる力のことで、低い方から高い方へ移動します。つまり、飲めば飲むほど喉が渇きます。立ち往生でいつ脱出できるかわからない状況では、避ける必要があります。
水の他にも、「ハイポトニック飲料」という体液よりも浸透圧の低い飲料があります。スポーツドリンクの一部もハイポトニック飲料にあたります。長期間の保存ができるため、車に常備しておく飲料には、水やハイポトニック飲料をおすすめします!

⑤ 「じょ」うびしたい保温グッズ

何といっても、車内で一番つらかったのは寒さです。エンジンを切ると、冬の車内はとても冷え込みます。この状態が長く続くと、低体温症になる危険があります。低体温症とは深部の体温が35度以下に下がってしまうことです。体温が24度以下の重度の低体温症になると、心肺停止などの重篤な状態に陥る危険があります。
保温で一番役に立ったのは、寝袋です。ブランケットでも何も無いよりはましですが、寝袋の保温力は桁違いです。ブランケットの代わりに、チャックを外し、2人で広げて使うこともできます。また、普段は枕の代わりに使用することもできます。寝袋の素材は軽いのに、とても温かいです。さらに、寝袋には冬用の商品があります。丸めるとかなりコンパクトになるので、冬期間にはぜひ冬用の寝袋を車に積んでおくことをおすすめします!
他にもお勧めしたいのが、「カイロ」「ベンチコート」です。カイロは冷えた手などを即座に温めることができます。また、カイロは保管に場所をとりません。さらに、ベンチコートも保温グッズとしておすすめします!着ている服の上から、重ね着できるのでとても温かいです。子供が寝袋を使用し、私はベンチコートで寒さをしのぎました。エコバックに入れておくと収納場所にも困りません。是非、寝袋」・「カイロ」・「ベンチコート」を常備しておくことをおすすめします!

⑥「う」ちで事前に天気の確認!

私の体験のように天気の急変はよく起きることがあります。私が立ち往生を体験した日は、天候の悪化が予測されており、ニュースで不要不急の外出を控えるように報道されていました。事前に天気予報を確認することの大切さを身に染みて感じました。是非とも外出前には天気予報を確認しましょう!

#03まとめ

●冬の車内で気を付けなければいけないこと
→「一酸化炭素中毒」、「エコノミークラス症候群」、「低体温症」

●車内に常備しておきたい便利グッズ
→「携帯トイレ」、「遮熱シート」、「スコップ」、「モバイルバッテリー」、「携帯用ライト」

●脱水症状が起こりにくい飲料水の種類
→「水」と「ハイポトニック飲料」

●冷えた車内を乗り切るための保温グッズ
→「寝袋」・「カイロ」・「ベンチコート」

●外出前にやっておくべきこと
→天気予報を確認する

ハルちゃん

持ち物だけでなく脚の運動などの知識まで教えてもらえてとても勉強になりました!「たちおうじょう」で覚えるのもミソですね。

ゴリラ部長

すぐ実践できそうなものが多いのが良かったね!
マラソンマンさん、どうもありがとうございました!!

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