ふもとっぱらで冬キャンプをする際の最適な寝袋や寒さ対策、過ごし方を紹介します。ふもとっぱらと言えば富士山がシンボルの有名な絶景キャンプスポットです。ですが、標高が高い為、不完全な装備で行くと凍えてキャンプどころではなくなってしまいます。今回は「うでつ和仁」さんがふもとっぱらで冬キャンプした様子をお届けしながら、寒さ対策などお伝えしていきます。
封筒型寝袋-30℃とくるむん ボアフリースロングは
Bears Rockから提供しています
もくじ
ふもとっぱらで冬キャンプしたい!

憧れのふもとっぱらで冬キャンプしようと思うんです!でも普通のキャンプ地と比べてやっぱり寒いんですかね?

それならワシの知り合いに行った人がいるから、話を聞いてみたら?

うでつ和仁さん
1973年富山県黒部市生まれ
横浜市在住
1996年よりゲームメーカーで、ゲーム開発、宣伝、営業、ゲームプロデュース、
ライセンス営業、ライブ・イベント、グッズの企画・制作と、
ゲームを切り口に様々な「遊び」を仕事にしています。キャンプ歴13年。
ゴリラキャンプ部にお越しのみなさんこんにちは。キャンプ大好き会社員うでつです。
さて!今回は、
「あの富士山の麓の超広いふもとっぱらで冬キャンプ体験をレポートしてくださいな!
寝袋の選び方とか、冬キャンプの寒さ対策やどう過ごすと良いのかなどなど……。」
とゴリラキャンプ部から依頼がありまして。
「面白い!広島からわざわざいらっしゃるのかー。冬のグループキャンプ楽しみだなー。」
と思ってたら、
「あ、うでつさん、ひとりで行ってきてくださいね。」
と。いきなり勘違い……。あ、ソロキャンプなのね。
それはさておき、僕のキャンプ歴を少しだけ。
キャンプは2012年に会社の大先輩に、ソロテント、椅子、テーブル、食器、鍋類など道具を一式譲ってもらったところから、徐々に熱が高まり、今年は17泊。多い年は30~40泊キャンプしてます。ここ数年は、子どもが中学の部活でなかなか時間があわず、ソロで静かに過ごしたり、高校の同級生達とあちこちキャンプに行ったり、仕事繋がりの方をゲストに迎えてという感じ。ソロもグループも楽しい!
良く行くキャンプ場は、山梨県道志村の日本初のサブスクリプション型キャンプ場「CAMP SPACE DOUSHI」、山梨県丹波山村の奥秋テント村、群馬県利根郡片品村の花咲森のキャンプ場、神奈川県相模原市緑区青野原の野呂ロッジキャンプ場がお気に入り。
季節は、特に問わずで、春夏秋冬と1年中キャンプに行ってます。真夏は流石に避け気味です。夕方まで林間の日陰で過ごすのも楽しいですけどね。
オススメは春秋が過ごしやすくて良いのですが、冬のキャンプはあらゆる意味で静かな空間を過ごせるのがスバラシイ!冬キャンプは長野県上田市菅平高原でキャンプ仲間が開催する雪中キャンプも年1回の楽しみ。雪かきからのテント設営。氷点下20℃近くなる時もあり、これは本当に極上の体験です。
そんな訳で静岡県富士宮市にあるキャンプ場「ふもとっぱら」。12月の冬キャンプのレポートはじまりです。※今回はソロキャンプ。
って、冬のふもとっぱらって、僕の鬼門なんですよね。
2017年の11月に暖房を入れたキャンプをしてみたくて、ツールームテント(リビングシェルロング)と
武井バーナーを購入。
「こりゃ楽しい!よーし!次はふもとっぱらで冬キャンだ!」
ある意味、本格的な冬キャンプ1回目がふもとっぱら。2018年2月中旬に長男と2人で2泊予約。昼に入ったんですが、めっちゃ快晴。
さてさて、まずはテント張るかーと、幕を地面に広げるんですが、風がやばい!あっという間に飛んでいっちゃいそうなくらいに強い風がいろんな方向から吹きまくり。長男にテントに上に寝っ転がってもらって、フレームを組んで、立てようとした瞬間。
「バキ!!!!!」
とリッジポールが、
「私、耐えられねえっす!」
と先端から20cmくらいのところでぐんにゃりと。
まあ、折れてはないので、ガンバって立てるかと、再度たてようとしたら、今度は反対側がぐにゃっと。
「えー、購入して2回目の使用なんですが、これ……。」
と意気消沈。
「お父さん、せっかくだからキャンプしていこうよ。」
と長男が言うもんで、車に積んであった夏用のテントで1泊。
焚き火して、外で調理。風に吹かれたマグロの刺身がみるみるチルド化していくんです。夜はテント内に、危ないのは承知で、武井バーナーで暖を取ると言う。起きたらテント内のウィスキー水割りはカッチコチ。
「そうかー、ティピー型のテント多いのは風対策もあるんだろうな。」
と思いながら、1泊で切り上げて、いつかまた来ようっと思ったあの日。

それ以来、機会がなくて冬のふもとっぱらは来てなかったんで、ある意味今回はリベンジ!
そう、みなさん冬のふもとっぱらの注意ポイントの1つ目。「強風」です。
テントの設営時、焚き火など、本当に気をつけながら過ごす必要があります。
冬のふもとっぱらで設営時の工夫。
複数人でテントを張るのがなにより良いですが、今回はソロ。まず幕を広げたら、何箇所かペグで仮止め。ファスナーも少し開けておいて、風が抜けるように。あとは順に立てては、ペグ打ち。仮止めと言う手順を挟むってことですね。

よし!設営時の風対策も万全。この日のために6年間アイデア練ってたんだ!(嘘)
と言う訳で!ここからが今回のモニタリングレポートです!前置き長くなってすいません!
昼にチェックインして、翌日午前にチェックアウト。この設営から撤収までの様子を通して、寝袋レビュー、僕が思う冬キャンプの魅力などをお伝えします。寝袋の話を聞きたいの!って方は、ぐっと飛ばして、最後の方をお読みくださいませ!
寒さ対策は?
さて、この日は快晴!昼過ぎにチェックイン。富士山の真ん前がたくさん空いてます。さすがふもとっぱら、広い!ふーじさーん!※絶対に言いたくなるんで。ここ要チェック。
そして設営。あっさり完了。ちょっと吹いている程度でした。(肩透かしにも程があるだろ……。)
14時頃のふもとっぱら。快晴。富士山に雲が乗ってますね。
ひんやりした空気と大自然。もう最高です。
テント内はこんな感じ。コットの上にインフレータブルマット、その上に寝袋。あとはテーブル、椅子、調理用のギガパワー剛炎、ランタン、ポータブル電源、そして今回は石油ストーブ(アルパカ)&一酸化炭素チェッカーです。こまめに換気!テント内での火器類の使用は自己責任です。

<寒さ対策>
①寝床
コットがない場合は、銀マットなど重ねて、地面からの冷気対策をします。汚れても良い毛布を持っていくのも手です。床用に銀マットの上に敷いたり、寝袋の上からかけたりと便利です。ただ、朝方結露して水滴がまあまあ落ちてくるので、そこを踏まえた上で。さらにどうしても寒い時は車や受付に避難。無理は絶対にしない。(お前が言うなですが)
②服装
重ね着を基本として、ヒートテック、長袖シャツ、トレーナー、風を遮る素材の上着という感じで重ね着しています。ズボンはスウェットの上に、ウィンドブレーカーなどを履いています。あとは、帽子、マフラー、手袋などで首周りの保温。さらに大事なのが靴!ブーツなど暖かいものを履きます。足が冷たいと本当に寒いので、厚手の靴下、長靴などで、寒さ対策しましょう。
この時間の気温。
外は7℃。まあまあ寒いですね。幕内はストーブをつけると、すぐにこんな感じ。15℃。全然寒くないです。今回はテント内とテントの外に2箇所で温度を測ってみます。改めてですがテント内でのストーブは自己責任。

過ごし方は?
設営も終わり、ちょっと遅い昼ごはん。冬キャンプは外で食器洗いがなかなか大変なので、洗い物が少なくなるメニューにするこが多いです。下ごしらえも家でしてきたりとか。この日も何度か洗い場で水を使いましたが、手がかさかさになります。肌荒れ~。
この日のお昼はピザ。セブンイレブンの金のヤツは美味しくて便利。追いチーズ、追いバジルがオススメ。(持ってくるの忘れた)ピザの下からは剛炎で炙って、上からはバーナーで焦げ目をつけてます。実に至福の時間です。ストーブの上はこんな感じ。お湯はテント内の乾燥対策も兼ねてと。

食後、ちょっと待ちきれなくて、今日のニューギアBears Rockの「封筒型寝袋-30℃」にお試しで入ってみます。

「めちゃくちゃふかふか~。」
レビューはもう少し後で!あ、乾燥と静電気で髪が逆立ってますね。冬のふもとっぱらは乾燥してるので、肌荒れなどもケアしましょう。※枕は後輩にもらったクッションです。厚みがあってちょうど良い。
そんなこんなで16時。夕暮れ感が出てきました。富士山の変化が楽しめるのもこのキャンプ場の大きな魅力のひとつですよね。

気温がどんどん下がってきます。冬キャンプは風に気をつけながら、外で焚き火するのもオススメです。がソロなんで今回はパス。寒いんで!
テント内でゆっくりしたり、散歩しながら富士山眺めたり。キンキンの空気が本当に心地よい!僕はテント内で本を読んだり、ラジオを聴いたりすることが多いです。今は動画もさくっとみられるので、撮り溜めしたものを見たりも良いかと。ただ、実はお薦めはアイデア出しです。ノートとペンか、スマフォのメモを使います。キャンプって、右脳が開放されやすい気がしてて、小一時間だけ、そんな時間に当ててます。家のことでも仕事のことでも。かなり有効ですよ。
日が暮れてきたので、ランタン投入。「コーー!」と良い音たてて光っています。LEDも良いんですが、ホワイトガソリンのランタンの趣はやはり良いですね。

月と富士山。とても良い景色。17時50分頃で、この雰囲気。最高じゃないです?
と言う訳で。氷点下に突入。夕方の外気はこんな感じ。

そしてあっという間に夜!そう、晩ごはん。今日はおでん。家族の晩飯用に朝作ったものを温めるだけ。おでんをつまみながらradikoで聞き逃した番組などを聴いてゆっくり過ごします。
夜のテント内はこんな感じ。ストーブ越しの寝袋が実に楽しみ。テントととも色があってて、ナイスです。

お酒を飲んでいるので、ちょいちょいトイレにいきます。20時30分頃の富士山。
暖かいテント内から、外に出た時の冷気。この差がとても気持ちいいんですよね。そこに白が映える富士山と月が見えるのが素敵。さらに歩くと、地面が凍っているのがわかります。シャクシャクと良い感じが足の裏に伝わってきてこれまた気持ち良いと言う。この温度差、空気、景観が、冬キャンプの一番のオススメポイントですね、ほんと。
この時間で大体-5℃。テント内は23℃。

さらに時間は進んで22時。星もよく見えます。

あとは僕のテントの後ろはこんな感じ。キラキラとたくさんのテントが光ってますね。後ろの毛無山との対比がまた良い!

この林。夏にはクワガタが採れました。もう7年前なんで今はどうなんだろう?

そんなこんなで23時。-6.5℃。そろそろ寝る時間ですかねー。
カメラ目線!からの~、大きめの寝袋なんで、すっぽり入っちゃって寝ちゃいます。

そしてここから朝の6時過ぎまで、ぐっすりと寝てました。快眠にも程がある!
朝7時。-8.2℃。テントの中もほぼ同じ気温。テント内の温度計エラーが出ちゃってますね。カップの中の元お湯は、水を通り越して、氷になっちゃってます。夜はそれくらいの寒さと言うことですねー。

朝の富士山も最高!温度計もそうですが、霜が降りてます。クソ寒い!

寝袋はこれを使用
さて!このような気温の中、Bears Rockの封筒型寝袋-30℃で気持ちよく熟睡してました。これはもう布団ですね。すっぽり包まれるところは布団以上。ふわふわで肌触りもとても良い!Bears Rockの「くるむん ボアフリースロング」とさらに足元用のインナーも併用したこともあってか寒さをまったく感じません。普段使っている冬用のシュラフだとどうしても足の爪先あたりが薄くなって冷えがちなんです。今回は、試しに靴下や下半身のインナーなどは履かずに寝ましたが本当に温かい。この寝袋、この気温ならTシャツと短パンでも快適に眠れますね。今度試します。またサイズですが横幅があるんで、寝返りしやすいのも◎。動きの制限など不自由なく寝られます。

ちなみに冒頭に書いた夏テントで、冬のふもとっぱらでキャンプした時は、夏用のシュラフを2重にして、その上に毛布をかけて寝てました。これだとギリギリ寝られる寒さ。ただ足が出ちゃったりするんで、まあ寝にくいですね。寒さでちょいちょい起きちゃうんです。
写真は、寝袋を広げた状態で、くるむん ボアフリースロングも並べています。

これは普段使っている冬用のマミー型のシュラフです。快適使用温度は-9℃くらい。羽毛なんで、軽くてコンパクト。収納時の状態を並べて撮影してみました。向かって左の青枠内は普段使っているもの、向かって右の赤枠内が今回使用した「封筒型寝袋-30℃」これは快適使用温度-10℃。
とにかく冬キャンプで、暖かく、ぐっすり寝たい!嵩張ってもそんなの関係ねー!っていう方は検討してみても良いのではないでしょうか。オートキャンプで荷物はある程度増えても大丈夫って方にはオススメかと。車中泊でも活躍しそうです。私も、この冬の当面はこの寝袋がファーストチョイスです。決定。
で!キャンプはまもうちょっと続きます。
朝ごはん。起きてすぐにストーブをつけてるとあっという間に20℃。シャツで過ごせますよ。
そして撤収が実は楽なんです。ストーブをつけているとあれよあれよとテントが乾いていきますんで。

まとめ
そろそろまとめ。冬のふもとっぱらでのキャンプ。その魅力は冷たい空気を感じながら時間とともに変わりゆく富士山と景色を楽しむこと。右脳がぱかっと開きます。コーヒーを飲みながら、テント内から、焚き火を前にと、楽しみたいですね。ただ冬キャンプは、体が冷えると楽しめないどころか、健康を害する危険と隣り合わせ。また火器類での事故も。(実際危ないところを見たことあります。)しっかりと準備していくことが大切です。温かい服装(特に首、手足の保温と靴!)。温かい飲み物や食べ物。そして温かい寝床。そしてなにより無理をしない。まずいなと思ったら、車の中で過ごしたり、受付に相談にいったり。
それではみなさん安全第一で冬キャンプを楽しみましょう。

~ふもとっぱら冬キャンプ(12月)まとめ~
●ふもとっぱらの外気温の変化
7時 約-8.2℃
14時ごろ 約7℃
17時ごろ 約0℃
20時半ごろ 約-5℃
23時ごろ 約-6℃
●寝袋
使用限界温度-30℃帯の冬用のものを使おう!
それでも寒いようなら中に薄手の毛布を入れて使用しよう
●寒さ対策
テント内は石油ストーブを使用するのもあり
寝床はコットがない場合、銀マットなどを重ね地面からの冷気を遮断しよう
●他・注意点
ストーブを使用する際には一酸化炭素中毒を防ぐために、こまめな換気&一酸化炭素チェッカーを使おう
強風に気を付けよう(テント設営時・焚き火する時・ストーブ使用時)

寒さ対策や過ごし方とっても参考になりました!万全に対策して富士山を拝もうと思います♪

そうじゃね!あとストーブや焚き火を扱う際には火災や一酸化炭素中毒などの事故にも十分注意しようね。うでつさん、どうもありがとうございました。
▼夏のふもとっぱらにも行っています!