キャンプで昆虫採集をする際に知っておくと良いことについて解説します。夏、子どもとキャンプに行くと普段見たことない虫を見かけ、虫採りしたい!という場面に出くわす場合があります。ですが中には人体に害を及ぼす虫もいたり、道具がないとつかまえるのが難しい虫もいます。今回は東京ビッグブッダさんにキャンプでの昆虫採集について聞いてみましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
キャンプで昆虫採集したい

いとこが夏キャンプで昆虫採集したいらしいんですけど、昆虫採集のコツとかありますか?

夏っぽくていいね~!今回は東京ビッグブッダさんに聞いてみたよ!

東京ビッグブッダさん
歴8年のゆるゆるファミリーキャンパーです。温泉の近くにあるキャンプ場が好物。トレイルランニングに挑戦中で、早く起きた朝はこっそり寝袋を抜け出して山を駆け巡ります!
キャンプに行くと普段見たことのない虫がチラホラ・・・。大人は及び腰になりがちですが、こどもの好奇心が刺激されることは間違いありません!自然の中にどっぷりつかって虫を探すことは、新鮮な探求心を満たし観察力を育むこと間違いなしです。兄弟、友達、親子で一緒に探せば協力することの大切さ学んだり、コミュニケーションの試行錯誤にもなるでしょう。
また、苦労して見つけた虫が死んでしまうことや、連れては帰れないケースがあることは、命を実感するまたとない機会。大人も覚悟を決めて一緒に取り組みたいものです。
さて、ここからはそんな昆虫採集についてご紹介していきましょう!

「つまんなーい」が減って大人も楽
「キャンプへ行くとやることがたくさんあって忙しい!」というのは、実は大人だけ。こどもは意外とほったらかしってあるあるだと思います。「散歩でも行ってきな~」と言っても、ものの数分で帰ってきてしまったりして、とりあえずお菓子を与えて黙らせる・・・。
それじゃ、もったいない!そんな時に虫取りグッズがあれば、こども同士で自然の中で目一杯遊ぶことも期待できますよ。虫が苦手な子も捕まえて籠の中に入っていれば大丈夫だったりすることも多いので、安心。図鑑をもっていけば観察に夢中になるかもしれません。
まったく経験がない子ばかりの時は、最初の手ほどきを大人がやってあげるといいかもしれません。
夢中になってるからって油断は禁物です。ほかのグループのサイトに立ち入ってお邪魔しちゃったり、枝を振り回してけがをしてしまったりなんてこともあるので、目の端に入れておくことだけは忘れずにいましょう。

人体に害をなす虫に気を付けよう!
虫を夢中で追っているうちに自分が刺されていたなんてことも多いものです。昆虫は身を守るために毒を持っていたり、生きるために血を吸ったりと人間に害をなす種類もいます。蚊・ブヨ(ブユ)・アブ・蜂などは有名ですが、ちょっとマイナーな虫もいます。情報を頭の片隅に入れておけば安心して遊ぶことができると思いますので、少し紹介しておきます。
(虫嫌いの人は、この先、閲覧要注意です。)
・ヌカカ
大きさが、1〜2mmほどでとても小さく、蚊より小さい。小さすぎて飛んでいるところはほぼ見えませんが、黒っぽくてゴマ粒のような姿です。噛まれると「チクッ」とした痛みがあり、数時間後に強いかゆみと赤み・腫れが出ます。見た目は蚊に刺された跡と似ています。かき壊すと1週間以上かゆみが続くこともあるので、気を付けてください。
DEET(ディート)またはイカリジン配合の虫よけスプレーが効果あり。ハッカ油も効果あるといわれていますが、個人的な経験でいえばあまり期待できません。

・吸血ヒル(ヤマビル)
通常5~6cm前後ですが、血を吸うと10cm以上にながくなることもある、見た目がちょー気持ち悪いナメクジのような形です。山林、沢沿い、落ち葉の多い湿った地面にいて、梅雨~夏が主な活動時期です。体温や二酸化炭素を感知して人や動物の体に付着し、血を吸います。意外と素早いのでたちが悪いです。麻酔成分を含む唾液のため痛みがなく、血液を固まりにくくする成分が含まれ、血が止まりにくいのが特徴。傷口がかぶれたりしてかゆくなり、膿んだり感染症の元になるので、注意が必要。無理に取ると口器が残り、化膿の原因になるため、塩、アルコール、ライターの火などで自然に離れさせるといいといわれています。私が咬まれたときは、アルコールで対処しましたが、しばらく傷口から血が滴り続けて困りましたが、出血多量になったりはしませんのでご安心ください。

・ヒメツチハンミョウ
カンタリジン(カンタリジド)という毒を持ち、誤って飲み込むと少量でも命に関わる中毒症状が出ます。攻撃性はないので、「見つけても触らない」を徹底すれば恐れることはありません。

出会えば大人も感動する虫体験
ここでは、大人も感動の昆虫体験をご紹介します。こどもと一緒に感動を共有すれば、苦手克服になるかも(?)。
・蛍
私が蛍を見たのは、群馬県のオートキャンパーズエリアならまたでした。ダム湖に隣接したキャンプ場内を小川が流れていて、水がきれいなのでしょう。季節になると蛍が毎年飛んでいます。あたり一面というようなものではなかったですが、儚い光がチラチラを舞う様子は真っ暗な夜と相まって神秘的でした。

・蝉の羽化
あんなにうるさい蝉も私たちを楽しませてくれます。羽化の際の半透明な体は、まさに「生まれ変わる瞬間」を感じさせてくれます。幼虫からの体のトランスフォームに驚くこと間違いなしです。近所の公園でも見つけることができますので、挑戦してみては?

・虫の声に耳を澄ます夜
キャンプの夜は、静かで自然の音を聞くチャンスです。特に秋の長い夜にはコオロギや鈴虫たちが競うように鳴いています。ところで、童謡【虫の声】で「チンチロチンチロチンチロリン」と泣いているのはマツムシですが、意外と聞いたことのない人も多いはず。実際の音は、表現が難しいのですが、「チンッ、チロリッ」とキレの良い音がします。これ何の虫かな?と聞き比べてみるのも楽しいかもしれません。

昆虫採集で、SDGsを学ぶ&おすすめグッズ
自然の中の虫たちは、その土地ごとの生態系の中で重要な役割を果たしています。ある地域にしかいない虫(=固有種)を別の場所に持ち込むと、他の虫や植物に悪影響を及ぼす外来生物として増えすぎてしまう可能性があります。
「家の中で虫籠に入れてるから大丈夫」。本当にそうでしょうか?死んでしまった後、「一緒に暮らしたから」と庭や公園にお墓を作ったりしたくなりませんか?もしその虫に寄生虫がいて、行き場を失って生きるために普段宿主にしない昆虫に入り、進化の上で増えたらどうでしょう?そもそも連れて帰ってきた昆虫は幸せだったでしょうか?慣れない環境でストレスを抱えて寿命が短くなってしまったかもしれません。こども達とこういった話が自然にできるのもキャンプの醍醐味だと思います。
また、意図せず卵を持ち帰ってしまうこともありますので、帰る前に身だしなみのチェックと合わせて気にしてみてください。
でも、思い出は大切にしたいですよね。代わりにスケッチや写真に収めるのはどうでしょうか?「キャンプひま~」の解消にもなりますし、一石二鳥ですよ。

ここからは、昆虫採集に「あると便利」なグッズをご紹介します。
・自然観察ボックス
捕まえた昆虫だけではなく、密閉性が高いので小さな魚を中に入れることもできます。蓋には2倍と4倍の拡大鏡が付属していて、さらに横の3倍の拡大鏡は真横と下からのアングルで観察することができます。ダンゴムシもこれに入れてみると新発見があること間違いなしです。虫のミニチュアがついているので、開封時にはご注意ください。

・昆虫捕獲機
「虫は絶対触りたくない!」というあなたや、「この虫、捕まえたいけど触るのは怖いなぁ」という君におすすめなのがこちらの昆虫捕獲機。指のスライド動作で下部の窓が開いて昆虫を閉じ込めます。虫網から虫籠に移す際にも力を発揮します。また、毛虫などの触ると危険な虫をキャンプサイトから逃がしたいときにも使えますので、非常時用に持っておくのもいいかもしれません。

・ポイズンリムーバー
夢中になって探しているうちに「チクッ」と刺されてしまった!というときに力を発揮するのが、こちら。蜂や蛇に咬まれたときにも使いますが(もちろんすぐに病院に行ってくださいね)、ブヨにやられたときに使うのも効果大!あのイヤーな痛痒さが軽減されます。私自身も刺された際には必ず使うようにしていますが、やるのとやらないのとでは治りのスピードが段違いだと感じています。

・川虫取り玉網
虫もいろいろなところに住んでいますが、水生昆虫も面白いものです。また、小さな魚やカニなんかも採集できると興味の幅が広がりますよね。ただ、気を付けなければならないのが、普通の「虫網」は使えないということ。特に伸縮性のあるものは便利なのですが、水中で使うには強度が足りません。水圧に負けてすぐに壊れてしまいますので、気を付けましょう。こちらの網は元々が水中用として作られていますので、安心ですよ。

・図鑑
図鑑があると毒のある昆虫を識別する手助けになるし、何を食べるか?どこにいるのか?わかれば探すことも容易になります。親も「昔はこんなの捕まえてたぞー」と自慢する材料になったりもして、家に帰っても楽しめるのがいいところです。

・色鉛筆
昆虫スケッチは、SDGsを学びながら観察眼と絵心も同時についちゃう一石三鳥のアクティビティ!こんなロール色鉛筆セットを持っていればキャンプ場でも目立つこと間違いなし。スケッチブックを小さいサイズにすれば場所を選ばず描きはじめることができます。絵が苦手・虫に興味ない子は、フロッタージュで落ち葉の柄や自然の岩肌を写しとる遊びにハマるかもしれません。突然の雨の時の遊び道具にもなるので、持っていくと何かと楽しみを見つけられます。

まとめ
注意するところだけ守って安心・安全に虫取りを楽しんでください!!「どうしても生理的に受け付けません・・・。」というそこのお母さんは、無理せずきっぱりとお父さんに任せましょう。「いやぁー、オレ?!」なんて言っていても始めてみればあら不思議!童心を思い出して、夢中になっていることでしょう!!

害のある虫に気をつけながら、グッズも準備万端にしておけばしっかり楽しめそうですね♪

そうじゃね~ 自然の中でどんな虫が採れたかを絵で残してもいい思い出になるね!東京ビッグブッダさん、どうもありがとうございました。