バイクや自転車で行くツーリングキャンプに最適な寝袋・シュラフの選び方をまとめました。車で行くオートキャンプと違って積載に限りのあるツーリング。持っていくのはどんな寝袋がいい?選び方は?コンパクトなものがいい?そんな疑問にキャンプ歴30年のベテランキャンパーhiroking8さんがお答えします!
もくじ
キャンプツーリングにおすすめの寝袋はどう選ぶ?
ツーリングキャンプに持っていく寝袋ってオートキャンプの時とは選び方違うのかな?
そんな疑問を解決するのはこちら!
hiroking8さん
父がアウトドアに連れ出してくれ、キャンプ歴は30年になります。
愛車ラングラーで、乗り入れ可能地でのオートキャンプがメインになります。
焚火が楽しみで、妻や友人と秋冬キャンプを愛好しています。
INSTAGRAM :
https://www.instagram.com/hiroking_8_/
今回の記事では、キャンプツーリング(キャンツー)におすすめの寝袋をご紹介していきます。
車で行くオートキャンプとオートバイを利用するキャンツーでは、荷物の積載量に大きな違いがあります。
傾向としてはキャンツーのほうがオートキャンプより荷物は少なく、小さなギアを選択することになるでしょう。
その中でも嵩張る寝袋はどのような基準でチョイスするべきか。
コンパクトで、寒い時期に対応できるものがいい?
そういった商品はなかなかお値段が……。
このように色々な疑問や不安点が湧いてきます。
記事ではキャンツーの道具選びから寝袋の基本知識まで網羅しつつ、キャンツーに持っていくべき寝袋を導き出します。
せっかくの楽しいキャンプ、道具選びもしっかりエンジョイしましょう!
・キャンプツーリングにおける道具選び
先に述べたようにキャンツーは、一般的なオートキャンプと違いがあります。
車移動であれば、お気に入りのギアをある程度好きなだけ積載できます。
勿論コンパクトなオートキャンプも魅力的ですが、オートバイより積載量は多くなるのではないでしょうか?
このような違いを意識しつつ、キャンツーに重要となる道具選びを考えていきましょう。
写真は両方とも化繊素材、3シーズン用と冬用です。見た目にも大きさに違いがあります。
実寸を測ってみましたが、数字以上に違いを感じます。
化繊冬用は本当に大きい……。しまうのも大変です。
→コンパクトさが大事!
バイクに荷物をパッキングすると、車ほど荷物は持っていけないことに気づきます。
家族と使っていた、折り畳みテーブルすら怪しくなります。
またリッターオーバーのアドベンチャーバイクに大型ボックスを付け積載するのと、スポーツバイクにせいぜい大型バックをくくり付けるのとでは容量が違います。
オートバイの形状においてすら積載量に違いがでてくるのですから、車と同じギアを持っていくのはやはり困難です。
→取捨選択を楽しもう!
これからキャンツーデビューを考えている方にとって、道具選びは大変だ……と思わせてしまったかもしれません。
またキャンプ経験者にとっても、キャンツーは面倒だと捉えられたかもしれません。
しかし全ての道具をコンパクトにする、全部買い直し、という必要はないのです。
積載に限界があるならば、マイギアの何を持っていけるかを悩んでみましょう。
お気に入りのコーヒーセットは絶対持っていきたい!でもテーブルは小さくていいかも!こういったチョイスを重ねてみましょう。
さらにカッコいいスキレットや調理器具ではなく、最低限のクッカー・コッヘルで調理・食事を済ませてみてはいかがですか。
どうです?悩みがいがありそうでしょう?
是非、愛用ギアをキャンツー仕様でパッキングしてみて下さい。
まるで無人島に行く妄想をしているようで楽しいはずです。
→キャンプツーリングにおける寝袋とは?
散々選択の大変さで脅しましたが、避けて通れない問題はテントと寝袋です。
今記事では寝袋に焦点を合わせてご紹介するので、テントについては別の機会とさせていただきます。
真夏であれば、キャンプ地しだいで寝袋は持って行かないという選択肢もあり得ます。
とはいえシーズンごと、昼夜の寒暖差を考慮すれば寝袋の積載はマストといえるでしょう。
キャンツーにおいて寝袋は嵩張る部類でありながらも、積載必須な難しいギアです。
サイズ感や適性温度、形状を総合的に判断する必要があるのです。
寝袋の基本情報
キャンプ経験者にはお馴染みの寝袋ですが、改めて基本知識について確認していきましょう。
→寝袋ってどんなもの?
寝袋とは、キャンプや登山などで使用される袋状の携帯寝具です。
昨今の防災意識の高まりの中で、寝具として携行されるだけでなく、防災用具として備えられることもあります。
またシュラフという呼び名でも親しまれています。
→快適な睡眠は寝袋しだい
宿泊旅行の手段であるキャンプにおいて、睡眠時間を快適に過ごせるかは重要です。
たっぷり遊んだ後、リカバリーを担う睡眠の質は看過できないポイントです。
寝袋選びは手が抜けず、その重要性はキャンプツーリングであろうとオートキャンプであろうと変わりません。
・寝袋の形状
寝袋には多種多様な種類、形状があります。
ここではオーソドックスなマミー型と封筒型について、ご紹介させていただきます。
→マミー型
マミー=ミイラの名称に由来します。
寝袋にくるまれて寝ている様子がミイラに似ており、人形型ともいわれます。
身体に密着する形状で、頭までかぶれる為、保温性が高い傾向にあります。
高い性能を求められ、ハイエンドな商品も多く存在します。
→封筒型
封筒型は上から下まで同じ幅の長方形型の寝袋です。
マミー型ほど体に密着しすぎず適度な余裕があり、寝心地が良い傾向にあります。
一方、密着性の低さからマミー型ほどの高い保温性能は見込めません。
ファスナーを完全に開けることで掛け布団やマットとして使える、出入りがしやすいなど、利便性の良さも魅力です。
使い勝手の良さや、厳冬期などハードな状況での使用を想定しないことも多い為、低価格な商品を選ぶことも可能です。
筆者愛用の3シーズン封筒型ですが、頭もスッポリ入ります。
お値段は4000円程で満足。
・寝袋には保温材の違いがある!
化学繊維(化繊)orダウン(羽毛)
寝袋を選ぶうえで、保温材は重要なポイントです。
主に、化学繊維(化繊)とダウン(羽毛)に大別されます。
→化学繊維(化繊)
現在では人口羽毛の利用が主流となっており、洗濯(丸洗い)がしやすい、アレルギー反応が出にくいといった特徴があります。
一方、羽毛と同等の保温力を期待する場合、基本的には大型に、また重量は重くなります。
化繊寝袋は比較的、価格が安い傾向にあります。
とはいえラインナップは幅広く、多くのユーザーに愛されている寝袋です。
→ダウン(羽毛)
ガチョウ(グース)・アヒル(ダック)など水鳥の羽毛を使用します。
主材料であるダウンだけでなく、羽根部(フェザー)も混合することで、内容量のバランスを取ります。
小型軽量で保温機能も高いという特徴があります。
一方、水に濡れると性能が著しく低下する上に、乾燥に時間がかかりケアが難しく、販売価格も高めです。予算が許すのであれば、小型軽量はキャンツー向けの選択肢といえます。ダウンの寝袋は自慢の一品として愛用する方も多く、手放せないギアとなるでしょう。
・寝袋の適用温度
寝袋を選ぶポイントは、形状や保温材だけではありません。
寝袋の対応温度という項目も忘れずチェックしてください。
使用環境と寝袋の対応温度が合っていなければ、睡眠をとることも難しくなります。
目安として多くの寝袋が採用している、ヨーロピアン・ノーム(EN13537)による使用適温の見方をご紹介します。
これはメーカーごとに違った基準を欧州標準化委員会が同一基準化したものですが、環境・経験・体調・体格差により寒さの感じ方に差があるため、目安としてください。
画像はモンベル・ダウンハガー収納袋。
→Upper Limit
一般的な成人男性がフード・ジッパーを開放し、腕を外部に出さずに睡眠を維持できる上限温度です。
→Comfort温度(快適温度)
一般的な成人女性が安眠可能な温度とされます。
→Limit温度(下限温度)
一般的な成人男性が丸まって目覚めることなく8時間、睡眠を維持できる温度とされます。
→Extreme温度(極限温度)
一般的な成人女性が、低体温症により死亡せず6時間までなら耐えられるとされる温度です。
※一般男性の定義は身長173cm,73kg,25歳とし、一般女性は160cm,60kg,25歳とする。
キャンプツーリングで使う寝袋はどういう基準で選んだらいい?
それではキャンツーで選ぶべき寝袋のポイントをまとめていきましょう。
→大きさ
積載量を考えれば、大きいより小さい寝袋を選ぶべきです。
ただし、予算や後述する季節や適用温度との兼ね合いを考慮しましょう。
→重量
軽いに越したことはありません。
軽さは大きさに直結する部分でもあります。
重いと積載のバランスが難しくなり、荷崩れの原因にもなります。
→適用温度
どの季節に、どこのキャンプ地に行くのか、夜間や夜明けの冷え込みはどうか、情報収集をした上で決める必要があります。
いっそ寝袋に合わせてツーリング先を選ぶのもおすすめです。
冬のキャンプは魅力的ですが、キャンツーは温度確保のリカバリーが難しく、十分注意が必要です。
・キャンプツーリングおすすめの寝袋はこれ!
軽量・登山マミー型ダウン(羽毛)
ここまでお話したポイントを踏まえて筆者のおすすめはズバリ!
「軽量・登山使用のマミー型ダウン(羽毛)」です。
キュキュッと収納すると手のひらに載ってしまうようなコンパクトさ!
羽毛使用による暖かさ!まさにキャンプツーリングの強い味方といえる選択です。
弱点はちょっとお高めプライスでしょうか……?
→まずは3シーズンがおすすめ
まずは3シーズン(春夏秋)用を購入し、ハードな環境でないキャンプで慣れてみるのがおすすめです。
参考までに-5~5℃あたりのお手頃な寝袋を利用し、使い勝手を確かめてみましょう。
→冬の極寒が味わいたいなら冬用一択!
バイクだとテント内用の暖房器具は持ち込めないとみるべきです。
睡眠時、寝袋に依存しなければなりませんので、必ず冬用を選びましょう。
まとめ
さて筆者の主観も交えつつ、おすすめ寝袋についてご紹介いたしました。
必ずしも点検管理が重要で価格帯も高めな羽毛寝袋をおすすめする訳ではありません。
昨今の化繊寝袋は保温性に優れており商品の幅も広く、キャンツーにも対応可能です。
また積載に余裕があるオートキャンプ等では、十分な働きをしてくれます。
予算に応じた、背伸びしすぎない道具選びも重要です。
悩ましい寝袋探しですが、悩んでいる間のウキウキも是非楽しんでください。
そこからあなたのキャンプツーリングライフは始まっているのです。
なるほど!使用シーンに応じて選び方を変えるのが大事だね♡