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防災用のおすすめの寝袋と選び方

防災用のおすすめの寝袋と選び方
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防災用として備えておく寝袋はどのようなものがいいのでしょうか。災害時の状況避難場所使用するシーンを想定して、おすすめの寝袋と選び方を考えてみたいと思います。

想定する災害と避難場所

想定する災害状況
台風による大雨、地震、豪雨土砂、河川氾濫、大雪による通行止め、道路渋滞や停滞による車中で長時間待機

近年の災害とその季節
台風  : 千葉県房総半島台風被害 (夏~秋)
地震  : 東日本、熊本県、北海道 (通年)
豪雨土砂: 広島県 (夏)
河川氾濫: 岡山県高梁川、長野県千曲川 (夏)
大雪による道路の長時間停滞 : 積雪・凍結する地域 (冬)

こういった災害の際の避難先・留まるところ
地域の公民館、体育館、自宅待機、近くの親戚宅、車中内、自宅の庭、勤務先内

寝袋が必要とされる状況を考えてみます。

公民館や体育館に避難した時

近隣の避難場所となる公民館や体育館に避難した時、役場が用意してくれる毛布や段ボールで作られたベッド形式の寝床がある場合はいいのですが、避難する人が多い場合、毛布などが足りなかったり、また寝る場所の空きスペースが狭すぎて、せっかく避難しに行ったのに家に引き返すという話を聞きます。
このような時でも、避難先に防寒寝具が不足していることをあらかじめ想定して、寝袋を持っていっておくと、何とか狭いスペースでも寝袋にもぐりこめば、なんとか一晩夜を明かすことができると思います。

自宅待機の時

近隣の避難所に避難する場合もありますが、自宅で待機する場合もあります。その際も、寝袋があると大変役立ちます。地震で家の床が家具や生活用品で散乱して足の踏み場もないような状態でも、布団を敷く場所をつくってセッティングし直すより、寝袋があれば手間を最小限に抑えて、なんとか狭いスペースに寝ることができます

冬の停電・暖房ストップ

冬に地震などで停電した場合、暖房がストップすることがあります。
電気で暖房を起こすエアコン類が動かせないので、とても寒い状態になります。寒い冬の日を想定した場合、冬用の寝袋があるととても心強いですね。

不意の車内泊

車で移動している時、突然の大雪で道路が停滞して車が進まなくなることがあります。
私の知り合いも以前(瀬戸内の山陽側で暖かい地域ですが)突然の大雪で、帰宅途中に車が進まなくなり、車をそのまま放って、雪の中を歩いて帰宅しました。車道には、同じような人が多くいたようで、何十台も車が放ってあったそうです。(次の日に車を取りに行ったそうです。)
その際は、何とか雪道を歩いて帰ることができたのですが、雪が積もりすぎていたり、車外が極寒で歩くことができない場合は、車内に留まざるをえないことも想定されます。
雪が積もる中で、暖房のエアコンをつけておくためにエンジンをかけっぱなしにするのは、一酸化炭素中毒の危険があるのでできません。暖房なしで車内で一晩すごすためには、車内に寝袋や毛布などを、常に積んでおくと安心です。

避難場所や災害状況に合わせた寝袋とは?

温度帯

まずは、一番使い勝手のよい-6℃クラスの封筒型寝袋がおすすめです。下記のような季節に合わせた使い方ができるうえ、持ち運びも冬用に比べるとしやすいです。

3シーズン対応の封筒型寝袋 / 目安の寝袋:-6℃封筒型

夏は広げて掛け布団や敷布団のようにして使えます。

掛け布団のようにして使える

春、秋は潜り込んで温かく眠れます。

潜り込んであたたかく眠れる

昼間、公民館、体育館では、三つ折りにして座布団代わりにできます。

三つ折り

幅広く使えて、比較的小さめなので持ち運びしやすい。

手に持った写真

冬を想定した場合、この3シーズン対応の封筒型寝袋に加えて、できれば冬用にマミー型の寝袋を保有しておきたいですね。

冬向けのマミー型寝袋 / 目安の寝袋:-15℃ or -30℃マミー型

fx-453g

Bears Rock マミー型センタージッパー寝袋 FX-453G

北海道の方は、数年前に冬に地震で電気がとまったことがあるため、冬用の寝袋を保有している方が多くいると聞きます。また、積雪がある地域では、冬の雪の日に不意に車内に泊まらなければならないことを想定して、車に冬用の寝袋を積んでいる人が多くいると聞きます。

日常移動手段として使う車に、寝袋を積んでおくことはおすすめです。

車中泊

できれば、春夏秋は3シーズン用を積んでおき、冬になったら冬用に積み替えるといいですね。(手間なのですが、私は年に二回忘れないように入れ替えています。)寝袋の中に入れて使えるインナーフリースという、封筒型の薄手のフリースがあります。寝袋の中に入れると温かいし、それのみで毛布代わりにも使えるので、寝袋と併せて車に積んでおくと重宝します。
フリースは、登山の際には必ず1枚は持っていくというほど、暖をとるのに重宝する素材です。フリースは、他のアウター(防風目的が強い素材)とは別の効果、体をぽかぽかと温めてくれる効果があるので、ぜひ車に1枚積んでおくことをおすすめします。

くるむんボアフリース

Bears Rock くるむんボアフリース

 

大きさ・サイズと持ち運びの想定

避難先・留まるところ
地域の公民館、体育館、自宅待機、近くの親戚宅、車中内、自宅の庭

これらの場所では、寝袋を歩いて持ち運ぶ必要がある場所とない場所とに分かれます。

歩いての持ち運びが想定されることろ ⇒ 地域の公民館、体育館

持ち運びがないもの、または車で運べるところ ⇒ 自宅待機、近くの親戚宅、車中内、自宅の庭

冬用の寝袋は、2kg~3kgある上かなり大きめなので、徒歩で運ぶとしたら、1つなら何とか運べそうですが、家族4人分を1人で持つことはかなりしんどそうです。夫婦二人で分けて持つか、もしくは1人で運ぶ際は2度に分けて運ぶ必要がでてきそうです。3シーズン用の寝袋は、重さが1.3kg程度と比較的軽いので、複数個になるとかさばりますが、避難用リュックの底にくくりつければ、重量はそう重くないので、何とか運べそうです。

リュックと寝袋

 

価格

一概には言えませんが、目安を記載しております。

-6℃クラス 4,000円程度~
2,000円~3,000円程度のものは、薄手で保温性能も低いことが多いので、価格は4,000円程度以上のものが目安になります。
-15℃クラス 6,000円程度~
-30℃クラス 10,000円程度~

使用目安の季節を記載しておきます。
-6℃クラス  3シーズン春夏秋使用
-15℃クラス 4シーズン春夏秋冬使用
-30℃クラス 主に晩秋と冬使用

羽毛の寝袋は、一般に高価なものが多いです。
(極端に安いものは、中の羽毛が粗悪なものが多く保温性が期待できないのでおすすめしません。)
-15℃クラスで15,000円程度~

 

化繊か羽毛か

持ち運びの大きさのことを考えると羽毛がいいのですが、高価になるのと、羽毛は水濡れに弱く、一度濡れると基本性能が落ちてしまうので、水に濡れないように気を付ける必要があります。また、洗濯がしにくい素材なので、扱いやすくはありません
登山などをされる方で、すでに羽毛の寝袋を持っている方は、防災用にも使えるのでいいとおもいます。これから、防災向けに寝袋を検討される方は、扱いやすい化繊の寝袋がいいと思います。

自宅の洗濯機

 

下に敷くものについて

寝袋の下に敷くものについては、寝心地以外にも避難場所の床の素材と持ち運びの手間について考慮にいれたいところです。

避難場所(体育館や公民館の時)によっては、床がフローリング素材などの硬い床材であることがあります。硬い上に、冬はとても底冷えして、とても座ったり寝転んだりできないほど冷え込むことがあります。この硬さと底冷えを防ぐ観点から考えた場合、インフレータブルの5cm以上の厚みのあるマットが好ましく思います

マット検証前
マット検証後

持ち運びについては、蛇腹のマットや銀マットが軽くて、リュックの上にくくることができるので好ましいです。避難場所がそう遠くなかったり、車で運べるようなら、寝心地を考慮に入れて、できればインフレータブルのマットをおすすめします。

今お手持ちのマットがあるようなら、そのマットの寝心地と、またどの程度床からの冷気を遮断するか確認しておくとよいでしょう。 これから購入される方は、持ち運びがどのようになるかまでも考慮に入れて、購入されることをお勧めします。

まとめ

まずは、3シーズン向けの寝袋とフリース素材のブランケットかインナーフリースを用意しておくのがいいと思います。そして、それに加えて、できれば冬向けの寝袋を持っておきたいですね。通勤に車を使う方は、車で移動中に道路が渋滞したり、雪で動けなくなることがあるので、寝袋とインナーフリースを車に積んでおくこととおすすめします。

すでに寝袋をお持ちの方は、持ち出しをする際どのようにして運ぶかを考えて、リュックにくくりつける紐やゴム紐を用意したり、4個運ぶなら、2個ずつをしばって持ちやすくするとかを、試しておくといいでしょう。これから購入を検討される方は、使用する場所を想定して、使い勝手や予算などは上記文中を参考にしていただければと思います。

 

防災についてはこちらの記事も参考にご覧ください。

 

 


封筒型は広げて使える 防災に役立ちそうだね

 

 

下記の‟防災用おすすめ寝袋と選び方”の動画も見てね!

 

 

 

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