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濡れたキャンプ道具のお手入れ術~道具を長持ちさせるコツを徹底解説~

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濡れたキャンプ道具のお手入れ方法について解説します。皆さんは雨や結露でキャンプ道具が濡れてしまったときの正しいお手入れ方法を知っていますか?今回はキャンプインストラクターのたなそうさんにテントなど「主要のキャンプ道具」からライトなど「サブの道具」まで、濡れたキャンプ道具の正しいお手入れ方法について教えてもらいました。道具を長く大事に使いたい方は是非参考にしてみてくださいね。

#01濡れたキャンプ道具のお手入れはどうしたらいい?

スタッフA1

雨や結露でキャンプ道具が濡れた場合の正しいお手入れ方法が知りたいんですけど・・・

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そんな疑問に今回はたなそうさんが答えてくれたよ

[執筆者情報]

たなそうさんの自己紹介画像

たなそうさん
ソロキャンプ歴12年越え、キャンプインストラクター資格を持つ34歳男。無骨なキャンプスタイルを愛している。

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楽しいキャンプですが、どうしても撤収は面倒ですよね?
雨や結露でテントやギアが濡れてしまったらなおさらです。でも、濡れたまま放置するのは絶対NG。疲れているのもわかりますが、もうひと頑張り。正しくお手入れしてから片付けるようにしましょう。

とはいえ、「正しいお手入れ方法がわからない…」「適当に片付けてしまっている…」という人も多いのではないでしょうか。そこで今回はキャンプ歴12年超え、キャンプインストラクターの資格も持つ私が濡れたキャンプ道具のお手入れ方法を解説していきます。

理想は、次キャンプ場に行ったときに気持ちよく使える状態になっていること。ぜひギアに愛情を注ぎ、お手入れまで楽しんでみてくださいね。

そもそもできるだけ濡らさないようにすることが大切

この記事では雨や結露で濡れた場合のお手入れ方法を解説していきますが、そもそもできるだけ濡らさないようにすることが大切です。

少しの工夫で濡れるリスクを軽減でき、そのあとのお手入れがグッと楽になりますよ。

テント・タープの中で片付けを進める

例えば、撤収のタイミングで雨が降っているとします。やむ気配もなく、なんとか片付けて帰らないといけないというシーンもキャンプに繰り返し出かけているとあるでしょう。

そんなときは撤収の順番を工夫するだけでも濡れてしまうギアを最小限に抑えられます。

まずはタープの下やテントの中で落ち着いて小物類をまとめていきましょう。雨が降ると不思議と急かされるような気持ちになりますが、テントやタープの中は余程の雨でなければ濡れないので安心してください。

私も雨の日は落ち着かず、「早く片付けを終えて帰らないと」とついつい適当にコンテナやバッグにギアを詰め込んでしまうことがありますが、家に帰ってから後悔します…。あとあと整理が大変になるので、ぜひゆっくりと。テントや葉に当たる雨の音も良いものですよ。

車を横付けできる場合はテント・タープ以外のアイテムを車に素早く積み込んでいきましょう。横付けできない場合は、たくさんの荷物を一度に運べるカートがあると便利ですね。

ツールームテントなどインナーテントが吊り下げ式の場合は、先に濡れていないインナーテントのみを片付けるのもひとつの方法です。

撥水スプレーなどの便利アイテムを活用する

同じ天気の下でキャンプをしていても、ある人は素早く撤収でき、ある人は撤収に時間がかかる。この差は一体なんでしょうか?イメージしてみてください。

もちろんキャンプスキルにも左右されますが、使っているテント・タープの素材や撥水性能でも差が生まれるんです。

ナイロンやポリエステル生地のアイテムが濡れても乾きやすいのに対し、ポリコットン製のアイテムは水を吸収し、乾くのに時間がかかります。

それぞれの生地に魅力がありますが、複数のテントを持っている場合は、雨に打たれるリスクが高い日はナイロン・ポリエステル製のものを使うのがベターです。

撥水スプレーなどを使用して水の弾きをよくしておくのもよいですね。

#02キャンプギア別!濡れた際のお手入れ方法

それではここからは濡れたキャンプギアのお手入れ方法を解説していきます。

濡れたまま放置することによるリスク・デメリットは主に以下の3点です。

カビが生える
臭いがする
錆びる

①テント・タープ

ナイロンやポリエステル生地のアイテムが濡れても乾きやすいのに対し、ポリコットン製のアイテムは水を吸収し、乾くのに時間がかかります。

それぞれの生地に魅力がありますが、複数のテントを持っている場合は、雨に打たれるリスクが高い日はナイロン・ポリエステル製のものを使うのがベターです。

撥水スプレーなどを使用して水の弾きをよくしておくのもよいですね。

完全に乾かす

とにかく完全に乾かし切ってください。キャンプ場で乾かす場合は、木の間にロープを張ってかけたり、車にかけたりするのがおすすめです。

とはいえ、ロープを持っていくのが面倒、車を横付けできないなどの場合もあります。その場合はせめてインナーとフライを分けて別に干しましょう。できるだけ多くの面に風を通せるように工夫してみてください。

自立するテントの場合は、2隅だけペグダウンし、底面を乾かすのがおすすめです。天日干しのほうが早く乾きますが、生地へのダメージが心配な場合は風通しのよい日陰で干してください。

私はキャンプ場で干す場合はあまり長時間ではないので、シビアに考えすぎず天日干ししています。

汚れをしっかり拭き取る

濡れるということは汚れもつきやすい環境にあった、という証でもあります。汚れも水分を含んでいる場合があり、放置するとカビや悪臭の原因になります。乾かすのと同時に気になる汚れはキッチンペーパーやマイクロファイバータオルなどで拭き取っておきましょう。

付着した草などは乾いた後のほうが払いやすいですよ。

ポール・ペグの水分も拭き取る

ポールやペグについた水分もサビの原因になるので放置してはいけません。また、テント本体と同じ収納袋に入れる場合は、袋内の蒸れにつながるおそれもあります。

濡れた雑巾などで拭き取ってから乾かすか、汚れがきつい場合は歯ブラシなどでしっかりこそぎ落としてください。

テント本体が乾くのを待つ間時間があれば、ポールの継ぎ目に詰まった小石などを取り除くなどほかのメンテナンスの時間に充てるのもおすすめです。

現地で乾燥できないなら大きなビニール袋に入れて持ち帰る

キャンプ場で完全に乾かせれば言うことなしですが、難しい場合もあるでしょう。 その場合は濡れたまま持ち帰ることになりますが、持ち帰り方にもちょっとしたコツがあります。

それはフライと本体は別々の袋に分けて入れることです。フライの方が確実によく濡れています。そんなフライと本体を一緒の袋に入れると…想像できますよね?本体にフライの水分が移り、あまり濡れていなかった本体もビショビショになってしまいます。

やむを得ず同じ袋に入れる場合は、濡れがひどい面を内側にしてくださいね。

帰宅後はベランダなどに早めに干しましょう。ただし、マンションでは風に煽られて他の部屋のベランダに干渉したり、風で吹き飛ばされたりするおそれがあるので注意してください。

乾いたら高温多湿の場所を避けて保管しましょう。直射日光の当たらない風通しのよい場所を選んでくださいね。

②シュラフ

シュラフもテント・タープ同様にしっかり乾かす必要があります。直接雨では濡れなくても寝汗をかいたり、湿気を吸収したりしています。

どんどん汚れも蓄積するので、、シーズンに1回は丸洗いするのがおすすめ。とはいえなかなか面倒なので、雨に濡れてしまったときは丸洗いするいい機会を得たと捉えてくださいね!

バスタブにお湯を張って押し洗いするのがおすすめです。ダウンシュラフの場合はダウン用の洗剤なども準備しておくとよいでしょう。

中には水洗い不可のものもあるので、必ず洗濯表示を確認してくださいね。

③ナイフ

ナイフ、特にカーボンナイフも特にサビやすいアイテム。雨に濡れなかったとしても薪割などに使った際に水分が付着し、お手入れをしないと簡単にサビてしまいます。

家に帰ったら中性洗剤でよく洗い、水分を拭き取ったらよく乾燥させましょう。オイルを塗布してケアも忘れずに。椿油やオリーブ油がおすすめです。

気軽に使えるサラダ油などでもOKですが、長期間放置するとベタつくケースがあるので注意してください。定期的にキャンプに行って道具を使うことも長持ちさせる秘訣ですよ。

④ランタン

ランタンも錆びが気になるアイテム。錆びは味わいにもなりますが、やはり最低限のケアは必要です。キッチンペーパーなどで濡れや汚れをしっかり拭き取っておきましょう。

また、電池やバッテリーを使用するアイテムは浸水していないかも確認しておく必要があります。浸水していた場合、故障するだけでなく、漏電など事故のリスクも伴います。濡れるリスクも考慮してあらかじめIPX6やIPX7など高い防水規格に準拠したアイテムを選ぶのもおすすめです。

⑤ダッチオーブンなどの鉄製ギア

ダッチオーブン・スキレット・鉄板などのアイテムはナイフ同様、特にメンテナンスに気を使うべきアイテムです。1日水分を放置しただけで、サビが発生することも珍しくありません。

料理に使用するので、当然洗うとは思うのですが、そのあとのお手入れが大切。商品によって推奨されている具体的なお手入れ方法は異なりますが、火にかけて水分を飛ばし、暖かいうちに油を塗るのが一般的な方法です。

冷めたら新聞などに包んで保管しましょう。

⑥クーラーボックス

クーラーボックスは、必ず濡れるアイテム。氷を入れたり、飲み物を入れたりすると結露で内部が間違いなく濡れます。

ソフト・ハードを問わず、内部をしっかり乾かしましょう。仕切り板や底板がある場合は一度取り外します。私はソフトクーラーをメインに使用しているので、自宅に帰ったら裏返して風通しのよい場所で干しています。

丸洗いできるハードタイプは中性洗剤で内側・外側を洗ってください。臭いが気になる場合はお酢を入れて1時間ほどおくのもひとつの方法です。

⑦チェア・テーブル

チェアの座面は中性洗剤で洗います。特に夏場は雨だけでなく、蒸れやすく、臭いの原因になるので、私はこまめに洗っていますね。

脚の泥もしっかり拭き取っておきましょう。

先端に滑り止め用のラバー素材などが付いている場合は、劣化の原因にもなりますよ。

#02正しくお手入れしてお気に入りギアを長く使おう

面倒に感じるギアのお手入れですが、次のキャンプを快適に楽しむためには欠かせません。

腰が重く感じるかもしれませんが、やり始めると案外楽しいものですよ。自宅に帰ってからでなく、キャンプ場でテントを乾かす間にできることも多いので、時間を有効活用してくださいね。

スタッフA1

特に雨に濡れやすいテントのお手入れ方法は参考になりました!ポールやペグの水分までしっかり拭き取ろうと思います!

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そうじゃね~。ちょっとした手間が道具を長持ちさせることにつながるからなるべく心がけたいね! たなそうさん、どうもありがとうございました!

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