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おすすめの寝袋−キャンプ歴40年のベテランが解説

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みなさんはどのように寝袋を選びますか?どういう寝袋がどういう時に使いやすいか、形・シーズン・目的に合わせたおすすめの寝袋を紹介します。初心者さんにも分かりやすくベテランキャンパーのケンさんが解説します。

#01季節に合った寝袋はどれ?

キャンプ歴40年のベテランキャンパーがおすすめするあなたに合った寝袋とは?寝袋はキャンプだけでなく、車中泊や防災などいろんな使い方ができますよね。

40年にわたり四季折々、様々な場所でキャンプをしてきたケンさん。
今回は、その経験からどのような寝袋を選んだらいいか、暖かく熟睡できる寝袋どのようなものがあるか聞いてみましょう。

ケンさんの写真
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今度家族でキャンプに行くんだけど、旦那は1人でバイクツーリングや車中泊もしたいみたい。防災にも使えると便利な寝袋はどんなのがおすすめですか?

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一般的には汎用性の高いー6℃クラスの封筒型3シーズン寝袋がいいですよ

シーズン別、暖かく眠れる寝袋、
オススメの温度帯

・3シーズン(春~秋) -6℃
春や秋でも特に寒い時期はインナーフリースなどで調整するといい。封筒型だと夏は開いて掛け布団にして使うことも出来て、3シーズン温度調整がしやすい。

封筒型寝袋の写真
真冬用の寝袋の写真

・冬 マミー型 ー15℃、ー32℃、
封筒型ー30℃

真冬に使うマミー型寝袋の写真

理由は、マミー型の方が密着感が高く、自分の体温を無駄なく寝袋内で循環させることができるからです。
封筒型寝袋を使う場合にはブランケットや毛布で余分な空気層をなくすといい。(冬だと余分な空気層があると、なかなか寝袋内が温まらないので、なるべくマミー型のように体にフィットするように空気層をなくすといい)

マミー型寝袋の写真

冬はマミー型がおすすめですが、マミー型のように体にフィットするのが嫌だという人には冬季向けの極厚封筒型寝袋もあります

足元が寒い時にはブランケットやカイロをプラス
  • -6℃対応寝袋
  • くるむんフリース
  • くるむんボアフリース
  • -32℃対応寝袋
  • -34℃対応寝袋
  • -30℃対応寝袋

#02サイズや価格はどんな感じ?

寝袋のだいたいの価格一覧
それぞれのサイズを比較した図

羽毛の寝袋は一般的に高価なものが多いですが、極端に安い物は羽毛の質が良くないのでおすすめしません
ー15℃クラスで15,000円程度~の物がいいですね。
持ち運びの大きさのことを考えると羽毛の方がいいのですが、高価になるのと、羽毛は水に弱く、一度濡れてしまうと基本性能が落ちてしまうので、水に濡れないように気を付ける必要があります。

また、洗濯がしにくい素材なので、扱いやすくはありません。 しかしコンパクトさは化繊に比べて格段に優れているので、登山などをされる方はコンパクトになるので羽毛の方がいいかもしれませんね。

化繊と羽毛のサイズを比較した写真

ー6℃化繊よりもー22℃羽毛の方がコンパクトです。

#03目的で寝袋をえらんでみよう

ケンさんは20代のころは、山登りの途中、山の中腹で、平らなところを探してテント泊したり、九州を3泊4日で一周するバイクツーリングの際に、海岸沿いやちょっとした高台など、途中泊まれそうなところを見つけてテントを張ってキャンプしていました。

また、雪中キャンプやインドでの夜行列車で寝袋を使用して寝るなど(インドでも寒くて寝袋を必要とする時があった)、寒い所から暑い所まで、列車内や車中泊などたくさんの場所で寝袋を使用してきたそうですね。

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使用経験豊富なケンさん!
目的別にオススメする寝袋を教えてください!!

キャンプ(ファミリー)
ツーリング
車中泊
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寝袋の形は好みも踏まえて選ぶといいですね。
温度帯は春~秋はー6℃、秋冬はー15℃、-30℃をおすすめしますが、秋冬でもー6℃では
寒い時もあるのでインナーフリースや毛布などで調整できるようにしておくと安心ですよ。

#04朝まで温かく寝るコツ

暖かくするコツ
寝袋2つより冬用1つがおすすめ
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寝袋を2つ重ねてみては?と思われるかもしれませんが、寒い時など他に対策がないよりはいいのですが、寝袋を重ねるのはそこまで効果がないんです。

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そうなんですか? 寝袋を2枚重ねたら倍温かくなりそうなイメージですが…

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どういう事かというと…

寝袋の暖かさの理由
厚着をするより薄着がおすすめ
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ゴリラ部長は寝袋で寝る時、どんな服装で寝ますか?

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テントの大きさで、そうですねぇ、寒かったらいけないので長袖の服の上にフリースとかアウターを着て寝ます。

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服装は、実は薄着の方がいいんです。そして、自分の体温を寝袋内で広く循環させるのが朝まで暖かく寝るコツです。

薄着で寝た場合、体から発した熱が衣服を通って寝袋の中綿に行きわたり、寝袋の内側へ戻るように暖かい空気が循環します。 厚着で寝た場合、体から発した熱が衣服で遮られ、寝袋の中綿まで届かず衣服の中に閉じこもるので、寝袋の良さを引き出すことが出来ないんです。

暖かい空気がどのように循環するかの図解
朝まで暖かく寝るコツ

※しかし実際には、ケンさんも寝る時が5℃くらいまで温度が低いと、寝入り時が寒いのでついつい分かってはいるけど厚着して寝てしまうらしいです。

山のキャンプは意外と寒い

夏キャンプは暑い!!と思われがちですが、高地は思ったより冷えます。なので3シーズン対応のー6℃クラスくらいはあった方がいいですね。3シーズン用には5℃程度の寝袋もありますが、せっかく購入するならもう少し厚みがあって夏の高地や秋も十分に温かく使えるー6℃クラスがいいですね。5℃程度の寝袋だと使用シーズンが狭くなります。

ケンさんの8月のキャンプ体験談

キャンプに行こうと思って天気予報を見ると気温が高い。何と気温は35℃。真夏日の暑さにうだれる中、その足で車で1時間半、800mの高地のキャンプ場へ行くととても涼しく、翌朝はなんと17℃まで気温が下がったんです!!

8月の日中と翌朝の気温の差を示す写真

ー6℃の寝袋で充分だと思っていたのですが、少し寒かったです。 (標高が100m上がる毎に気温は0.6℃下がると言われています)

標高の差による気温の違いを図解したもの

そうすると性能の低い寝袋だと夜は寒くて寝られない可能性もあるので、3シーズンに十分対応できる寝袋がオススメです。
(一概には言えませんが、ー6℃以下対応で重さが1300g程度より重い寝袋は3シーズンでも高地でも使えますよ)
平地でも春秋も夜は冷え込みます。
3シーズン使うなら、やはり5℃程度の寝袋よりもー6℃クラスの物がいいですね。
例えば、薄手の寝袋を持っていったら予想と違って夜寒くて寒くてねむれなかったという話をよく聞きます。
そんな時のためにも毛布やブランケットを持っておくと安心です。キャンプ用にコンパクトに収納できるインナーフリースというのもありますよ。インナー用には冬向けにさらに厚手のボアタイプのフリースもあります。

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目的に合わせた自分好みの寝袋を見つけて、キャンプを楽しんでくださいね!!

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