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おすすめの薪を徹底解説~焚き火にはこれ【特徴・使い方】

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おすすめの薪を詳しく解説します。キャンプで焚き火をするようになると、もっと早く着火したい、長時間燃やしたい、など思うことがありますよね。特徴や使い方など焚き火に関するアレコレを岡山県在住キャンパーなかむらしんごさんにご協力いただいて詳しく見ていきます。

#01おすすめの薪を徹底解説

スタッフA1

部長!焚き火に使う薪って、色々あること知ってましたか?

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当然知っとるよ!でも、もういっかい復習しようかの~。
なかむらさん教えて~!

[執筆者情報]

なかむらしんごさまの写真

なかむら しんご さん
1971年生まれ。
コピーライターでありキャンパー
岡山県在住。行動心理学をベースとしたライティングスキルを活かした成果にコミットした記事をモットーとしている。20年間、歯科技工士を生業としてきたが、コピーライターになる夢を叶えるために5年前に独立。
その後、APCオンラインアカデミーに入校し、行動心理学ベースのライティングスキルを学ぶ。現在は主にSEOライティング、Webマガジンを執筆中。将来の夢は「自分自身のそのままの思いを表現し、出会った人みんなにワクワクを!」
そんな思いを体現できるコピーライターを目指しインドアからアウトドアまで活動中!

「焚き火が無いキャンプなんてありえない!」

一度、焚き火に出逢ったキャンパーはその魅力に病みつきになります。

ギアを買って知識を学び、週末になると最寄りの河川敷やキャンプ場に向かう。行けないときは自宅の庭でもいいから焚き火がしたい…なんてまさしく焚き火三昧。

そんな風に回数を重ねると、次第に焚き火で使う薪についても気になってきます。

  • ・薪にはどんな種類があるのか…
  • ・燃え方に違いはあるのか…
  • ・ニオイや音はどんな感じなのか…
  • ・調理にむいているのか…など

さらには希少性の高い薪も使ってみたい!

なんて思いも強くなってきます。

今回はそんな魅力満載な焚き火に使う薪について徹底解説していきます。

これを読んだ後、あなたも間違いなく色々な薪を試したくなると思いますよ。

では、早速はじめましょう。

#02焚き火の薪おすすめ8選!種類や特徴・おすすめする理由は!

写真:いろいろな種類の薪

焚き火をするためには、まず薪が必要。

ただ、薪と言っても種類が豊富で何を買って良いか迷うところ。

ここでは薪の種類や特徴、おすすめの理由を紹介します。

・針葉樹

写真:針葉樹の薪
引用元:twitter

針葉樹とはマツやスギ、ヒノキなど細長く先の尖った葉を持つ樹木のこと。
密度が低くて軽いことが特徴。また、油分(ヤニ)を多く含むのでたいへん火付きが良く、薪への着火には最高です。

その反面、火力が強く燃え尽きるのも早いので、広葉樹を投入する前の焚き付けとして使用するのが一般的。

ホームセンターや道の駅など、多くのお店で販売されているので入手しやすいです。

・クヌギ

写真:クヌギの薪
引用元:twitter

ブナ科の落葉広葉樹で最高級の薪の一つ。

たいへん高密度なのが特徴で、着火はしにくいが火持ちの良さは最高。
また、高密度なのに細胞同士の隙間が大きいという不思議な構造をしているので、
細胞と細胞の隙間の空気が破裂して「パチパチ」という音を立てて燃えていきます。

目にも耳にも心地よく癒される薪ですが、香りはやや渋めなので調理より焚き火自体を楽しむのに向いています。

同じブナ科で高密度な広葉樹のカシと比較して成長が早いことから、昔から薪用として山に植えられていたようです。

現在もよく流通しているので一般的に入手しやすい薪の一つです。

・カシ

写真:カシの薪

ブナ科の常緑広葉樹でクヌギよりさらに高密度で火付きが悪いです。

その反面、火持ちは最強クラスで形が崩れにくいので、カシは薪を組むときの土台にするのがおすすめ

しかし、高密度ゆえに乾燥に時間がかかってしまうので、季節によっては店頭に並んでいない場合があるのが欠点です。

・ナラ

写真:ナラの薪

ブナ科の落葉広葉樹のナラはブナ科の中で火が付きやすく、火持ちも良いです。

ナラの香りはクヌギやカシのような渋さがないので調理用としてもおすすめ

まさにオールマイティーな薪として1年を通じて販売されているので、入手もしやすいです。
店頭でどれにしようか迷ったときは、先ずナラの薪をチョイスしてみてはいかがでしょうか。

・アカシア

写真:アカシアの薪

マメ科の落葉広葉樹であるアカシアですが、本来のアカシアは砂漠に自生している植物であるため日本の環境にはあまり適しません。

そのため日本で多く見られるニセアカシアをアカシアと呼んでいます。
(元々のアカシアは3種類あり、黄色い花がお花屋さんで切り花として売られています。)

一般的にアカシアの薪として販売されているモノは、軽くて薪割りがしやすい上に火付きもよく、さらには火持ちが良いという特徴があります。

つまり、針葉樹と広葉樹の両方の良いところを持ち合わせた万能な薪ということになります。

カシアはホームセンターなどで一般的に流通しているので、購入もしやすく扱いやすい薪なので
焚き火初心者におすすめです。

しかし、この薪は水分を含んでいる状態だと臭いのが欠点。
中々の臭いです。(乾いている状態だと気になりません。)

キャンプに持っていくときは、雨や夜露に当たらないところに置くように注意してください。

・サクラ

写真:サクラの薪

バラ科の落葉高木であるサクラは燻製のチップとしても使用される香り高き薪。

焚き火で料理をする場合にたいへんおすすめで、心もお腹も満たされること間違いなしです。

ただ、広葉樹の中では密度が低いので火付けは良いですが、あまり火持ちしないため他の広葉樹の薪と併用するのがベター。

ホームセンターなどで普通に流通しているので、一度購入することをおすすめします。

・クリ

写真:クリの木

ブナ科の落葉高木であるクリは焚き火マニアに人気の希少な薪。

理由は燃焼時の音。

写真:クリの薪

言葉で伝えるのは難しいですが、あえて表現すると
「ボツボツ・・・ジジジッ!」という音を、燃えている間出し続けています。
何かしら独り言を呟いているような感じで...。
これが大変耳に心地よく、ハマる人が多い理由です。

しかし要注意!たまに「バチっ!」と爆ぜります。

クリ自体が爆ぜるのは聞いたことがあると思いますが、木も同様に爆ぜります。

完全に対策するのは難しいですが、薪を十分に乾燥させて細割にして使用すれば多少は防げます。

またクリの薪の特徴として、割りやすく火付きが良い反面、火持ちはあまり良くないとのことでしたが...

私が実際に使用してみたところ、火持ちの悪さをそこまで感じませんでした。
ただ、爆ぜりました。(油断大敵です。)

匂いに関しては、割った直後は少し「ツーン」と鼻につく感じがしましたが、燃やすとそれも気にならなくなりました。

クリは一般に流通しにくい上に人気があるので、見つけたらとにかく手に入れておくことをおすすめします。

・モモ

写真:モモの木

バラ科サクラ属の落葉中高木のモモ(桃)。

植え付けから数年で実を収穫できるほどに成長するため密度が低いです。

写真:モモの木の薪

そのため、割れやすくて火付きが良いですが、火力が強くて燃え尽きるのも早いです。

モモの薪は蜜を多く含んでいるため乾燥させるのに半年ほどかかるとか。

また斧で割った直後だけでなく、燃やしている時もどこかでモモの蜜の香りがします。
(サクラ同様、燻製のチップとしても販売されています。)

流通に関しては一般的にはあまり販売されていないようで、ほとんど見かけません。

たまにネットで見かけても他の薪に比べて高価な場合が多かったり、焚き火の薪にはあまり向いていないという情報があったりします。

今回は知人の桃農家さんから譲っていただいたモモの薪で焚き火をしてみましたが、問題なく使用できました。

本当にモモのような甘い匂いがしました。

#03おすすめの薪の組み方を4つ紹介!

写真:焚火台で燃えている火

ここでは焚き火台を使用し、目的に応じたおすすめの薪の組み方を4つ紹介していきます。

・並列型

写真:並列型に組まれた薪

組み方は土台に太い薪を1〜2本セットして、その上に割った薪を並列(やや扇状)に置いていくだけの簡単なセッティング。

ポイントは空気の通りを考え、隙間を空けて薪を置くこと。

セットが簡単な上、焚き火台も選びません。

さらに薪の量で火力調整ができ、調理にも向いているので並列型は焚き火初心者におすすめの組み方です。

・井桁型

写真:井桁型に組まれた薪

山の学校で見たことがある方もいると思いますが、まさにキャンプファイヤーなどで定番のカタチ。

土台の火床に太い薪を置き、中央には焚付用の小枝などをセッティング。

後は「井」の形を作りながら組み上げていきます。

特徴は下や横から空気が入ってくるので、たいへん燃焼効率が良く火力が強いこと。

反面、燃え尽きるのが早いです。

井桁型はある程度の大きさの焚き火台を必要としますが、豪快な炎が立ち上がる姿が見たい方にはおすすめです。

・開き傘型(別名:星型)

写真:開き傘型(゛別名:星型)に組まれた薪

薪が少ないときに有効なのがこのカタチ。

焚き火台の中央に着火剤などの焚き付けをセットし、後は放射状に薪を置いていくだけ。

火力はあまり強くないですが、少しの薪で長時間焚き火を楽しめます。

注意点としては2点挙げられます。

まず、放射状に置く薪が長すぎると焚き火台から落ちてしまい危険という点です。そのため、焚き火台に合わせた薪の長さにする必要があります。

また、炎は真ん中のみなので常に薪を真ん中に寄せていかないと炎が消える可能性があります。

真ん中の炎で調理を楽しむこともできますが、食事終わりに薪が少なくなってから、のんびりと薪を触りながら焚き火タイムを楽しむ時におすすめです。

・ティピー型

写真:ティピー型に組まれた薪

このカタチもある程度の大きさの焚き火台が必要です。

薪で作った三角形の土台中に細い木を立てかけながら組んでいき、外側にそれより太い木を組んでいきます。

組み終わったら、隙間から着火した焚き付けをいれて火吹き棒でファイヤー!

正直調理には不向きですが、ティピー型は純粋に焚き火を楽しみたい方におすすめ

吸気効果で湿った薪もよく燃える上に、最高に美しい炎が鑑賞できますよ。

写真:焚火台で燃えている火
引用元:twitter

#041泊のキャンプで必要な量は?

写真:大量に備蓄された薪
引用元:twitter

キャンプを始めてすぐの頃には、持っていく薪の量に悩んでしまいます。

多すぎると撤収時に大変だし、少なすぎるとそもそも焚き火自体を楽しめない。

また、広葉樹と針葉樹の違いは理解できたけど、それぞれどれぐらいのバランスで使用したら良いのか分からないという悩みも。

そのような方のためにここでは1泊2日(チェックインが12時でチェックアウトが10時)の場合を一例として、持っていく薪の量を述べていきます。

・用途によって薪の量は変わってくる

写真:大量に積まれた薪
引用元:twitter

当然ですが、薪の使用量は用途やシーン、さらに季節によって変わってきます。

基本的にソロキャンプの場合、1時間1kgの広葉樹の薪を消費することを基準に量を決めていきます。

調理で使用する場合は、まず焚き付けのために針葉樹を2〜3本使用します。
土台には太い広葉樹を1本使用します。

太い薪に火がついたら細割にした広葉樹をくべていきます。
その後、火力アップしたいときはその都度針葉樹をくべていきます。

ソロキャンプで調理をする場合の1時間の薪の使用量は広葉樹で1kg、針葉樹で2kgを目安にしています。

食事が終わったらお酒をたしなみながら3〜4時間、焚き火自体を楽しみます。
(大半のキャンプ場の就寝時間は22時。)

朝は調理のみなので、焚き火は1時間程度で終わります。

結論、1泊2日のソロキャンプで4〜5時間焚き火をした場合、広葉樹は一巻き7kg、針葉樹は5kgの薪の量を使用します。

数人のグループキャンプだと焚き火台も大きくなるので、人数分の薪を準備します。

冬や秋の夜が長く寒い季節は、さらに薪の量が増えていきます。
(もう一巻き追加するぐらいで丁度いい感じです。)

逆に夏の暑い時期は焚き火はするものの、薪の量は減っていきます。

以上、私の経験をもとに薪の量について述べてきました。あくまでも目安なので、薪を準備する際の参考程度にしてください。

05警告!焚き火に使ったらヤバい木の種類とは?

写真:山に自生する樹木

見出しが少し怖い感じになりましたが、知っていて損は無いのであえて警告と入れています。

みなさん、キャンプ場で焚き付け用の倒木や枝を探しに行ったことはありますか?
もしくは、伐採した木を頂いたことはありますか?

そんな時、丁度いい大きさだからという理由だけで焚き火に使用する場合はくれぐれも注意が必要です。

ここでは焚き火で使うとヤバい木を2つ、プラスくさい木を3つ紹介します。

・ウルシ科の植物

写真:ヤマウルシ
ヤマウルシ(引用元:twitter)

ウルシの仲間にはハゼノキ、ヌルデノキ、ヤマウルシそしてウルシなどがあります。 いずれもアレルギーを起こす危険性がある植物です。

写真:ヌルデの木

ヌルデ

写真:ハゼノキ

ハゼノキ

これらの多くは身近なところに自生しているものが多いです。

写真:ウルシの木
引用元:twitter

特にウルシの木は強烈で、生えている木の近くを通るだけでかぶれる人もいます。

ウルシオールと言われる毒性の物質は、枯れて倒木になってからも半年間は残ると言われています。

燃やしたときに出る煙を吸っただけで口や気管などがかぶれるので、絶対に使用しないでください。

・キョウチクトウ

写真:キョウチクトウの花
引用元:twitter

キョウチクトウは山林などに自生していることはほとんどありませんが、街路樹や公園などに多く植えられています。

写真:人の手で植えられたキョウチクトウ

この木は枝、根、花、葉の全てに毒があります。

その毒性は青酸カリよりも強いオレアンドリンという物質で口に入れると死に至る危険がある物質なので注意が必要です。(ヤバいですね...。)

オレアンドリンは燃やされ、煙になっても毒性は消えずに残っているので、浴びると最悪、失明することもあるとか…。

更には周りの土壌まで毒で汚染してしまうので、そこにある枝木や落ち葉なども絶対に燃やさないでください。

他にも焚き火に向かない木として

葉っぱが臭いことが由来のクサギ

写真:クサキ
引用元:twitter

樹液が臭いミズキ

写真:ミズキ
引用元:twitter

乾いていない状態で使用すると生臭いアカメガシワ

写真:アカメガシワ
引用元:twitter

などが挙げられます。

これらに害は無いものの、燃やすとクサいです。

種類が分からない木は絶対に焚き火に使わないようにしましょう

06まとめ

写真:積まれた薪
引用元:twitter

いかがだったでしょうか?

今回は焚き火で使う薪の種類や特徴、おすすめの使い方を徹底解説してきました。

おまけで焚き火で使ったらヤバい木も紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

あなたが行くキャンプ場にもひょっとしたら自生していたり、倒木として転がっていたりする可能性もあるので、くれぐれもご注意を。

こんな風に薪の個性を知ることで、燃える音や匂いなどをより堪能することができます。
そしてどんどん違う薪を試したくなり、焚き火三昧の日々に。

キャンプ場へ向かう途中で偶然立ち寄った道の駅で、使ったことのない薪を見つけたときはやっぱりテンションがあがります。

「あ〜焚き火したい!!」

最後まで読んでいただき有難うございました。

なかむらしんご

スタッフA34

私も焚き火に詳しくなって、次のキャンプが楽しみになってきました!

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とてもいい勉強になったね!

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